骨粗鬆症とは?
特に女性に多いのですが、老化と共に骨の代謝が落ちて骨がスカスカになっていく
病気です。女性ホルモンの減少が主な原因ですが、遺伝や生活習慣、病気由来など
他の原因のものもあります。
歯科治療とどういう関係があるの?
骨粗鬆症になると骨折し易くなるので、改善を図るため薬を服用したり
注射をしたりして皮質骨を固く強くしていくよう治療していきます。
使用する薬にも大きく3つに分類されます。
- (1) 骨吸収を抑制する薬
- (2) 骨の形成を促進する薬
- (3) その他 カルシウム製剤
その中でも(1)の 骨吸収を抑制する薬が歯科治療と関係してきます。
この(1) の骨吸収を抑制する薬にも何種類かの薬の系統があります。
そのなかで圧倒的に用いられているビスフォスフォネート製剤というものが、
歯科治療に大きく関わってくるのです。
この薬を長期間使用していると抜歯した後にその部位の骨が腐ってきたり、
又は重度の歯周病でもその部位の骨が腐ってきたりすることがあるのです。
原因と確率、予防は?
原因としては抜歯など外科的処置やそれに伴う感染、重度の歯周病が主な原因
ですが、それらとは無関係に起こることもあります。
確率は1%~2%(10万人に一人とも・・)と言われていますが、
4年以上の長期使用でリスクの確率は高くなると言われています。
転移性の骨癌に対して骨吸収抑制剤を用いるとそのリスクは
100倍位に高くなるとも言われています。
未だに治療の決め手はなく、外科的に腐骨を除去するのが一般的です。
よって感染から発生する顎骨の壊死を防ぐためにも、お口の中を
徹底的にいつも綺麗に管理していくことが重要です。
薬を使用してる場合、治療はできないの?
- この薬を使用中であっても、虫歯やブリッジ、義歯などの歯の治療は
全く普通にできます。 - ただ歯を支えている歯槽骨に関係するところは、要注意です。
- 歯周病があれば、綺麗に磨き、清潔にして歯周病の炎症が
なくなるように努力しましょう。 - 抜歯がどうしても必要な場合、薬を他の薬に変えて最低2か月以上
あけたらまず大丈夫というコンセンサスになっています。
転移性の骨癌に対して用いた骨吸収抑制剤で引き起こされた、
重度の歯周病から生じた骨壊死の1例。
骨に転移した癌により、それに伴って使用する骨吸収抑制剤の副作用として、
重度の歯周病の部位から生じた骨の壊死の1例です。
壊死の為に歯は自然に脱落つまり抜け落ちてしまいました。
*かなり衝撃的な画像ですので、了解して同意いただける方のみ
クリック&拡大してご覧ください。
この記事が少しでも参考になったり、お口の中を衛生的に綺麗に保つ
動機付けの一助になれば幸いです。
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