唇にぽこっと膨らみができた。(粘液嚢胞)

粘液嚢胞1歯科治療
粘液嚢胞1
粘液嚢胞1
粘液嚢胞1

急にできた唇にできた膨らみ。痛くも痒くもない。
そのうち治るかと思ってると、膨らんでは消え そしてまた膨らんでくる。
いったい何だろうかと思いつつ、放置してる方も多いかと思います。
それは粘液嚢胞である場合が多いです。
今回はしばしば見かける粘液嚢胞についてお話をしてみたいと思います。

粘液嚢胞(ねんえきのうほう)とは・・・・?

以前に誤飲性肺炎の項で少しお話をしましたが、人間には唾液を出す腺が存在します。
たくさん唾液を出す3大唾液腺、それと共に少量出してる小唾液腺というのが存在します。
小唾液腺は汗を出す汗腺と同じようなものだと思って頂いてもいいかと思います。

小唾液腺は唇やお口の中の粘膜に、常に潤いを与えるように出ている唾液腺です。
そのお陰で唇など乾燥しないでいられるのです。

しかし食事の最中に間違えて唇を深く噛んだりしてしまうことも、たまにあるかと思います。
唇の表面の直下に小唾液腺は無数に存在してしています。
食事の最中に間違えて唇を噛んでしまった場合など、その小唾液腺の短い腺を
切断してしまう場合もある訳です。
つまり小唾液腺の唾液を作る場所から開口して出す場所まで腺という短いホースで
繋がっているようなものですから、そのホースが切れてしまうようなものです。

そうなると唾液を作る場所は正常に働き続けるわけですからどんどん唾液を少しづつ作り続けます。
しかし出口が塞がっているので、唾液は出るに出られず風船みたいに膨らんできます。
それが唇が膨らんでくる粘液嚢胞の正体です。

粘液の嚢胞の治療

この粘液嚢胞、ある程度膨らむとちょっとした刺激でその嚢胞が破れ内容液が
外に漏れだしてしまうので出来ては膨らみ、消えてはまた膨らんできます。
しかし痛くも痒くもないので、放置している方も多いかと思います。
いったい何なんだろうな?と思いつつ。。。

少なくともこの粘液嚢胞悪性化することはまずありません。
その点はまず安心です。しかし日常的にしょっちゅう噛んでることが多いと
悪性化することもあるのでその点は要注意です。
しかし日常的に唇にごろごろ感がいつもあり、違和感があるのも確かです。
切除して切り取ってしまうのが一番です。

治療の方法を画像を交えて説明致します。
まず除去手術の時にできればパンパンに膨らんでいる時が最適です。
萎んでいるときは上手くまず取り切れません。

粘液嚢胞2
粘液嚢胞が膨らんでいる状態

薄~い切開線を入れます。ここが一番大事な所です。^^

粘液嚢胞3
細心の注意をしながら薄い切開線を入れます。

そして薄い上皮粘膜を剥離します。

粘液嚢胞4
上皮粘膜を剥離してるところ

完全に剥離を終えると粘液嚢胞が姿を現します。

粘液嚢胞5
剥離を終えると粘液嚢胞の全容が見えてきます。

そして粘液嚢胞を切除して、縫合し終わりです。

粘液嚢胞6
切除を終え、縫合した状態。

切除した粘液嚢胞

粘液嚢胞7
摘出した粘液嚢胞

術後の経過等

見た目には少しグロテスクな画像を交えてのご紹介でしたが、ほとんど痛みや腫れはまずありません。
3日位の抗生剤と数回の鎮痛剤で十分だと思います。
粘膜の薄い所の手術ですので、術者としては気を遣う手術ですが患者さん自体は
あまり心配のない手術ですので気になるようでしたら除去手術をお薦め致します。

同じような症状で悩んでいる方がいらっしゃいましら、お気軽にご相談下さい。

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