歯の挺出(ていしゅつ)って、どういう意味?
今回は歯の 挺出(ていしゅつ)という事について書いてみます。
歯のまずは下の画像を見て下さい。
向かって左側の一番奥の歯にご注目下さい。
一本だけタケノコみたいに伸びてるのが、お分かりいただけるでしょうか?
こういう伸びたような状態を歯の挺出(ていしゅつ)と言います。
それでは、どうしてこうなったと思いますか?
歯並びが変わらない状態の考え方
歯の噛み合わせは、上下それぞれの歯が合わさって出来ています。
それによって食事ができるシステムになっています。
また以前にもお話したことがあったように、上下の歯が当たって
上下、または左右の歯並びのバランスが取れているのです。
ほとんどの人が、歯が日々少しずつ動いているとは考えもつかないと思います。
しかし事実微妙に移動しているのです。
ただそれでも歯並びが変わらないのは、それぞれの歯がそこが力学的に一番
居心地のいい場所になっているので、見た目上動いていないように見えてる
だけなのです。
では歯を抜きっぱなしにして、放置したらどうなるのでしょうか?
1.両隣に歯がある場合
以前に解説した内容:”歯を抜きっぱなしは何故まずい?(1)、(2)、(3)
上の画像のように中間にある歯が抜けたら、両隣の歯が倒れて来て上の歯も下へ落ちてきます。
2.噛み合う相手の歯が抜けた場合
今回の画像の答えがここの部分になるんですが、残った側の歯が相手側へ移動していきます。
上の歯ならば、下へ移動。
下の歯ならば、上へ移動していきます。
上記をふまえ今一度、画像を良くご覧になって下さい。
この画像のようになった状況と弊害を解説
この場合は上の歯を抜いた後、その後の治療を怠っていたケースです。
初めは上に伸びて移動していたのですが、移動するに従い上の残った歯に
ぶつかるようになって奥への移動も始まってしまったのです。
歯が上に移動するに従い、奥へと押されて移動してしてしまったために、
一番奥の歯はその手間の歯との間に隙間ができてしまい、
結果奥の歯の手前の面に虫歯ができて穴が開いています。
また歯が上へと移動した結果、本来ではありえない場所が上の歯と
ぶつかり顎の動きまでも障害してしまいました。
噛むときに変な場所でぶつかるために、顎の動きもおかしくなっていました。
顎の動きがおかしくなると肩こりや目の疲れ、頭痛、顎関節の異音・痛み、
背中の凝り、胃腸が弱くなる、鼻づまり、生理痛、手足の冷え性等々
思いもしないような症状が出てきたりもします。
治療しようと思っても、虫歯が大きくなり歯周病(歯槽膿漏)も酷い
状態では手の打ちようがありません。
当然ながらこの場合は、抜歯となりました。
まとめ
●歯を抜きっぱなしは、一つも良いことはありません。
●歯を抜いたらその後の治療は、義歯、インプラント、ブリッジ等治療の方法はいろいろあります。
それぞれ一長一短があります。おかかりの歯科医院で良くご相談されてみて下さい。
●それぞれの治療によって適正な治療のタイミングが違います。
歯科医に良くお聞きになってみて下さい。
●治療放置によって思いもしないような状態になることもあります。
適正な時期に適正な処置をすることをお薦めします。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
歯科的知識の一助となることを願っています。
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